2014年5月、クリエイターズマーケットのオープン当初からつくりはじめた「決めるスタンプ」。審査の紆余曲折を経て、販売開始できたのは、翌々年の1月でした。参考までに、審査の履歴を晒しておきます。(参考:履歴書)
こんなスタンプです。トークルームで連打すれば、いくらでも長いあみだくじを作れます。
2014年
4月:企画制作
公式スタンプに無さそうなもの、極端に言えば感情表現以外のセットを作ろう…ということで思いついたのが「組み合わせて使うあみだくじ」でした。LINEの小さな画面で判別できる線の太さや位置などの視覚的なシミュレーションを重ね、選択結果のバリエーションを検討したり、クジとしてのゲームバランスを調整したり……仕様の策定だけで1か月、40枚仕上げるまでに4か月近くかかってしまいました。
9月:1回目の全リジェクト
「あみだくじ」として最初に申請したのは2014年8月。こんなセットでした。
待つこと1ヶ月
リジェクトメッセージが届きました。半年程度の待機は日常的だったので、速いなと思いつつ、その内容は…
要するに根本的に全部ダメですよ、という通達です。スキマ商品なのは重々承知とはいえ、「日常会話にあみだくじは適さない」とのご判断。
ついでにキャラ化した阿弥陀(アミダ)様も、宗教攻撃とみなされてしまいました。仏像関連の絵柄については当時(自分のも含めて)いろいろとモメているようでしたが、このときもやはり敏感だったご様子。
対処のしようがないのでひとまず放置。
2015年
1月:2回目の全リジェクト
それではあみだくじを「日常会話」そのものとして表現してみてはどうかと、トークルームに調和するように吹き出し変形型の絵に変更。阿弥陀にも消えていただいて、オバケ的なやつに描き直し(あみだくじを英語で「ゴーストレッグ」という)、別のスタンプセットとして再再申請。
すると3日後
全否定するときの返信は速い…
小細工しても根本的にNGなのだから再申請してくれるなよ、と、あいかわらずにべもない。常識的に考えればもうあきらめるしかないのですが、キャラの問題は消えたからいちおうちょっと前進、ということにして再び放置。
12月:通過事例を発見
年末。久しぶりにLINE STOREを覗いてみると、なんと同様のコンセプトのもの(あみだくじを作るスタンプ)がしれっと売られているのを偶然発見。これが噂の審査体制の「進化」なのか…基準も進化していることを願う。
2016年
1月:3度目の正直
「コンセプトをお認めいただけることになったようでございますね感謝申し上げます」てなことを実例を挙げてそこそこ丁寧に記して1年前の状態そのままで再再再申請。すると…
全リジェクトではない…が…?
リジェクトには違いないものの、前回までの全リジェクトはさりげなく解除された様子。
とはいえ、リジェクト内容は、つまるところ全部似てるからなんとかしろ……という事実上のあみだくじ全否定。NG画像は26枚、キャラクターの位置や顔はすべて変えてあるのに「類似した構図・ポーズ」に見えるらしい。さて…。
4度目の申請
あみだくじ自体は変えようがないので、キャラクターを拡大して違いを強調。ゴーストが半透明なのでクジが隠れずちょうど良かった。ついでに無理やり文字も入れてみる。備考欄に「仰せの通りにこんなに大きく変更したでござる何卒宜しくお願い申す」と改善をアピールし、くじけず再再再再リクエスト。
結果
ついに承認、リリースすることができました。
上記のとおり、パッケージIDは20000台。十数万セットに追い抜かれました。申請から足かけ2年。その間に世の中も随分移ろいゆきました。LINE STOREもずいぶん変わりました。審査の常識も変わりました。お買い上げくださった皆様、ありがとうございます。以上です。
関連リンク
その他の審査事例
- 承認後に販売停止
- 審査期間13ヶ月(398日)の例
- 審査期間13ヶ月(400日)の例
- リジェクト内容を否定して変更せず再申請して承認された例(文言)
- リジェクト内容を否定して変更せず再申請して承認された例(画像)